札幌の『相続』はお任せください

相続トータルサポート@札幌 <span>by 心グループ</span>

農地を相続する際の手続き

1 農地の相続手続きは一般的な不動産よりも複雑です

農地を相続する場合、一般的な宅地や建物の相続と異なり、農地法などの特別な法的規制を考慮する必要があることから、より複雑な手続きが必要となります。

義務化されている相続登記に加えて、農業委員会への届出や農地の利用制限が関わるため、適切に対応しなければ将来的な管理や処分に支障をきたすおそれがあります。

以下、農地を相続する際に必要となる法的手続きについて説明します。

2 相続人の確定と遺産分割協議

農地の相続に限らず、多くの相続手続きを進めていくための前提として、まずは相続人を調査して確定させる必要があります。

後続する遺産分割協議は、相続人全員で行わないと無効になってしまうため、相続人の調査はとても重要なプロセスになります。

基本的には、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本と、相続人全員の戸籍謄本を取得します。

兄弟姉妹相続や代襲相続などが発生している場合には、集めなければならない戸籍謄本が多くなることがあります。

すべての相続人を調査し終えたら、相続人全員で農地を誰が承継するかについて協議し、その内容を記した遺産分割協議書を作成します。

基本的には、農地はどの相続人でも取得することはできますが、農業を行わない場合には将来的に売却や転用を行う必要があります。

そのため、可能であれば農業を継続する意思を有する相続人が取得することが望ましいと考えられます。

実務上、遺産分割協議書には相続人全員が署名と押印をします。

押印には実印を用い、印鑑証明書を添付します。

遺産分割協議書と印鑑証明書は、相続登記等に用います。

3 農業委員会への届出

農地を相続により取得した場合、農地法第3条の3に基づき、農業委員会への届出が義務付けられています。

届出先は、農地の所在地を管轄する自治体の農業委員会です。

提出期限は、相続により農地を取得した日から概ね10か月以内とされています。

4 相続登記

農地を含む不動産の相続登記は、2024年4月から義務化されました(不動産登記法第76条の2)。

原則として、相続により所有権を取得したことを知った日から3年以内に登記申請を行う必要があり、正当な理由なく登記を怠った場合は10万円以下の過料が科される可能性があります。

相続登記に必要となる主な書類は、以下のとおりです。

①相続関係を証明する戸籍謄本等一式

②遺産分割協議書・印鑑証明書

③相続登記申請書

④被相続人の住民票除票・農地を取得する相続人の住民票

⑤登録免許税

農地も不動産の一種であるため、形式的には宅地と同様の相続登記を行いますが、農地特有の規制が残る点に注意が必要です。

5 相続後の農地に関する制限等

⑴ 農業を継続する場合

相続人が自ら農業を行う場合、特に手続きは不要であり、そのまま利用が可能です。

⑵ 賃貸する場合

農地を他人に貸し付ける場合、基本的には農地法第3条に基づく許可を得る必要があります。

または、農地中間管理機構(農地バンク)を利用した貸借を利用するという方法があります。

⑶ 売却する場合

農地を売却する際も、農地法第3条の許可を要します。

買手になることができる者は、農業委員会から許可を受けた農家のみという制限があります。

⑷ 転用する場合

農地を宅地や駐車場などの、農業以外の用途に転用する場合には、農地法第4条または第5条に基づく転用許可が必要です。

6 相続税と農地の納税猶予制度

農地も相続財産のひとつであるため、相続税の課税対象となり得ます。

ただし、一定の要件を満たす相続人が農地を承継し、農業を営む場合などにおいては、納税猶予制度を利用できる可能性があります。

一般的には、農業投資価格と呼ばれる価額を超える部分に対応する相続税額は、その取得した農地等について相続人が農業の継続等を行っている場合に限り、納税が猶予されます。

7 相続財産に農地が含まれる場合には、まず専門家に相談しましょう

農地の相続は、宅地や建物の相続と異なり、農地法を中心とした特別な法的規制を考慮する必要があります。

相続登記の義務化に伴い、期限内の登記申請が必須であり、併せて農業委員会への届出等が必要となります。

その後の利用についても、農業継続・賃貸・売却・転用といった選択肢に応じて、農地法に基づく許可等が求められます。

さらに、相続税の負担を軽減する制度として農地の納税猶予が設けられていますが、その適用には厳格な要件があります。

以上のように、農地の相続には複数の法的手続きが関与し、対応を誤ると後日トラブルにつながりかねません。

農地を相続された際には、できるだけ早く専門家に相談し、手続きの全体像を把握して適切に対応していくことが重要です。

  • 電話相談へ
  • 選ばれる理由へ
  • 業務内容へ

スタッフ紹介へ